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リファインバースグループ/サーキュラーエコノミーの先駆者②『REAMIDE(リアミド)』で海洋プラごみ問題に貢献
2024.08.16
企業独自のサステナブル活動を紹介するインタビュー企画。今回も引き続き、株式会社リファインバースグループの資源ビジネス部長・瀧澤陵さんにお話しを伺います。 今号では、海洋プラスチックごみ問題に貢献する再生素材『REAMIDE(リアミド)』(再生ナイロンコンパウンド)の開発背景やその取り組み、さらに再生素材メーカーとしての今後の展開についても、くわしく教えていただきました。
高品質な再生ナイロン素材『リアミド』
―再生素材『REAMIDE(リアミド)』について、開発の経緯や性能など詳しく教えていただけますか?
瀧澤さん:我々は、オフィスビルや商業ビルで床材として使われるタイルカーペット裏面の塩化ビニルを再生化し、『リファインパウダー』として完成させました。その研究課程で、表面のナイロン部分に関する研究開発も進めていました。その流れで着目したのが、同じナイロン素材の漁網、車のエアバッグのリサイクルです。
それが、2019年に独自開発しスタートした『REAMIDE(リアミド)』(再生ナイロンコンパウンド)という再生素材。主な原料は使用済み漁網やエアバッグで、回収した漁網を独自技術で洗浄し不純物を極力取り除いた高純度の再生ナイロン樹脂が「REAMIDE」です。
近年、深刻化する海洋プラスチックごみの約4割を占める漁具・漁網。漁網は近年、一年くらいで捨てられるものが多く、処理するにも産業廃棄物としてお金が掛かるため我々がお金を払う形で譲り受けるので、漁師さんにも喜ばれています。
回収方法は、うちの若手営業マンが日本全国の港を飛び回り、ダイレクトに漁師さんを直撃(笑)。朝早く、漁から戻った漁師さんに交渉して、交換時期の網を譲り受ける形で回収しています。その様子を配信したSNSもあるので、興味のある方はぜひ(笑)。
また、廃棄される車のエアバッグを原料とした『REAMIDE(リアミド)』も展開しています。エアバッグはその特性上、非常に高品質高性能。エアバッグを回収して裁断、独自の技術でシリコーンとナイロンを分離し、再生化させる独自技術も構築しています。
回収から再生までの”地消地産モデル”を拡大
―『REAMIDE(リアミド)』は、どんな商品に使われているのですか?また、今後どのように展開していくご予定でしょうか。
瀧澤さん:『REAMIDE(リアミド)』は、オフィスチェアの背もたれやひじ掛けなどのナイロンパーツ、車の部品、建材、Tシャツやバッグ、帽子といったアパレル品などにもアップサイクルされています。
今後の展開については、漁網やエアバッグのリサイクルの拠点を増やしていきたいと考えています。漁網やエアバッグに限らず廃棄物は分散的に発生するので、発生する場所で回収して再生することが経済合理性も高く、環境負荷も少ないと考えています。我々が培ってきたリサイクルの技術やノウハウをパートナーとなる企業にライセンス供与することで拠点を増やしています。
漁網の発生数が一番多い北海道では、すでに地元企業さんと提携し、回収から『REAMIDE(リアミド)』製造までの“地消地産モデル”を構築しています。国内にとどまらず韓国企業からもオファーがあり、こちらもすでにライセンス契約が完了しています。またエアバッグリサイクルは豊田通商と提携しベトナムで事業化しています。
社会全体の変革に向けて
―『リファインパウダー』『REAMIDE(リアミド)』のほかに、新たな再生素材を手掛けられるご予定はありますか?
瀧澤さん:今年度の計画として、三菱ケミカルグループ社とともにプラスチックのケミカルリサイクル事業を立ち上げる予定です。具体的には、プラスチックごみを油に戻して、そこからプラスチックの原料であるナフサを回収、プラスチックに戻していくというもの。この事業の初期目標は、年間2万トンのプラスチックをケミカルリサイクルすることですが、将来的には数十万トンレベルにまで引き上げることを目指しています。
現在、プラごみの年間排出量は約850万トン。その内の約500万トンを熱利用という形でしか再利用できていない日本の現状ですが、このケミカルリサイクル事業が実現すれば、社会全体が大きく変容するほど画期的なできごとになるのではと思っています。
―瀧澤さん、興味深いお話しをありがとうございました。小さな町工場から始まり、大きなステップアップを経て、サーキュラーエコノミーの実現に貢献されてきたリファインバースさん。次は、プラスチックごみという大きなテーマに向けて邁進されるとのこと。今後のご活躍を心から楽しみしております。
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