
サステナビリティ
オネスト・アンド・パートナーズ/木材のプロに聞く①オフィス内装“木質化”のいま
2024.06.20
これまで飲食店や小売店、美容室などの内装として、多く使われてきた“木材”。脱酸素社会実現、働き方改革といった世相を背景に、いま、オフィス内装の分野でも“木材”というワードが注目を集めています。 今回は、壁や床の内装用木材を専門に取り扱う木材のプロフェッショナル、株式会社オネスト・アンド・パートナーズの佐藤 真さんに、オフィス“木質化”の現状についてお話を伺いました。
木材のプロフェッショナル
―まずは、具体的にどんなお仕事をされているのか教えてください。
佐藤さん:我々は、「木材内装のイメージはあるけどどのように着手すればいいのかわからない」というお客様に対し、できるだけ理想に近い形で完成するためのお手伝いをしています。デザイナー、施工会社、製造工場とも密に連携をとり、専任の担当者が完了まで一貫して、お客様の要望をすり合わせしていく点が弊社の個性ですね。
取扱商品は、天然木材を使用した壁や床の内装用木材。壁・天井材では20種類以上におよぶ国内外から厳選した豊富な木材を、色や形、厚みのニーズに合わせて提供しています。
オフィス内装のトレンド
―オフィス内装に対するニーズの変化について、どのように感じておられますか?
佐藤さん:ひと昔前までのオフィス内装といえば、手を加えることなく、無機質に机と椅子を並べるものでした。ここ数年、働く人への配慮が問われるようになり、社会的責任、社内外に対するPR、SNSの普及などに押される形で、オフィスデザインの多様化が劇的に進んだなという印象です。
人工的な空間だったオフィスにも、自然素材である“木材”が求められるようになり、弊社の取り扱いでも、今では店舗よりもオフィス向けの木材ニーズのほうが多くなっています。また、同じ木材でも、見た目が均一できれいな木目ではなく、フシが目立つ自然に近い木目が好まれるなど、木材に対するとらえ方もずいぶん変わってきたと感じています。
―木材が求められている要因は、どんなところにあるとお考えですか?
佐藤さん:木材を使ったオフィスは、働く社員の方や来社されたお客様にマイルドでナチュラルな印象をもたらします。脱炭素社会実現やSDG’sといった背景も大きいと思いますが、目にやさしい色味や木目、ほのかな香りによるリラックス効果のほか、調湿性や空気の浄化作用といった働く人々の心身にもたらすメリットが、科学的に実証されてきたことも要因ではないでしょうか。木を薄くスライスした板を使う商品では科学的効果はさほど見込めないかもしれませんが、無垢フローリングなどは効果が実感できるのではないでしょうか。もちろん、木材内装を採用していることそのものが環境配慮を連想させ、企業イメージアップに直結するという効果も無視できないポイントですね。

左写真:フシの目立つ木材を利用したフロンティアコンサルティング・オフィス内、右写真:オネスト・アンド・パートナーズ社「サステナウッド」
木材は有限な天然資源
―会社のSDG’s的な取り組みがあれば教えてください。
佐藤さん:木は捨てるところがないといわれる資源です。端材は可燃材料やチップにしたりしています。目的を果たしたサンプル木材などは工作や木材に触れて頂く為に小学校に送るなどして、廃棄を減らすような働きかけも模索しています。
また、取り扱いの複合木材のひとつに、「サステナウッド」という商品があります。従来、木材フローリングは配線や施工的なの都合もありオフィスのOAフロアには不向きとされてきましたが、HSPCという特殊素材の上に天然木材を張り合わせた「サステナウッド」は、クギも接着剤も不要。噛み合わせて固定する仕組みなので、移転の際ははがして持っていくこともできる仕様になっています。さまざまなコストも抑えられるサステナブル的な商品ですので、積極的におすすめしていきたいと思っています。宣伝みたいになってしまいましたが(笑)。
木材の利用促進が叫ばれていますが、木材は自然素材、有限資源です。国産の針葉樹は40~60年、広葉樹は100年程度と育てるのに時間が掛かることもあり、世界的に人気の樹種は過剰伐採にならないよう輸出制限が掛かるものも出ています。木質化の流れのなかでも、使う木材や種類、分量を考えながら、コントロールしていくことも大事なことだと思っています。
佐藤さん、貴重なお話しをありがとうございました。
後編では、株式会社オネスト・アンド・パートナーズさんのお話しを通して、実際にオフィスに木材デザインを取り入れた導入事例をご紹介していきたいと思います。
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