
サステナビリティ
コクヨ/「SUTENAI CIRCLE」が本格始動① “循環の輪”でつなぐ、資源を捨てない社会の実現
2024.06.06
「独自のサステナブル活動を展開する企業」にフォーカスするインタビュー企画第二弾。 今回のお客様は、2023年に循環型社会への取り組みを本格化させたコクヨ株式会社さんです。「SUTENAI CIRCLE(ステナイサークル)」「HOWS DESIGN(ハウズデザイン」という大きな二つのサステナブル指針のうち、まずは「SUTENAI CIRCLE」についてお話を伺いました。 CSV本部サステナビリティ推進室の横手 綾美さん、ワークプレイス事業本部ワークスタイルマーケティング本部の楠亀 早江子さん、どうぞよろしくお願いします。
捨てたくないという気持ちに寄りそう
―まずは、「SUTENAI CIRCLE」の背景や取り組みをおしえてください。
横手さん:コクヨでは、2022年に策定されたサステナブル経営指針をベースに、5つの重点課題を設定しています。
その一つである「循環型社会への貢献」を実現するための取り組みが、「SUTENAI CIRCLE」なんです。
コクヨは、文房具からオフィス家具まで、たくさんのものをお客様に使っていただいている企業。その個性を活かし、お客様とともに捨てないためのサークル、“循環の輪”をつくっていく仕組みを提供しています。
“循環の輪”は、商品を「作る」「使う」「捨てる」「回収する」「再利用する」ことですが、これは一人では成立しません。まずは作る側、使う側、回収する側の人々をしっかりとつなぎ、捨てたくないという気持ちに寄り添い、つかえる資源を捨てない社会を目指します。同時に、一つ一つの工程における環境負荷を見直し、質のよい“循環の輪”を作り上げていきたいですね。
キャンパスノートから考える循環の輪
―“循環の輪”について、詳しく教えていただけますか?
横手さん:コクヨのサイトでは、A=資源調達、B=設計/製造、C=流通/配送、D=使用、E=回収、F=再資源化、G=安全性、という循環サイクルを図でご紹介しています。
我々はメーカーなので本来A=資源調達が上部にくるべきなのですが、回収・再資源化の仕組みをともに考えたいという強い思いから、敢えてD=使用を上部に設定しています。
例としては、使用済みのキャンパスノートを使ったコクヨの活動「つなげるーぱ!」 がわかりやすいかもしれません。使い終わったノートを小学校でまとめて回収、運搬を経て、工場で溶解処理し、再び新しいノートに再生させる活動です。製品を使うところから再生までの循環サイクルが子供たちにもわかりやすくなじみやすいプロジェクトになっています。
―若い層から循環型社会について意識を深めていく、いい機会になりそうですね。
横手さん:2023年度は、86校約2.15万人の児童が循環に参加してくれました。つなげるーぱ!ではプラスチックの表紙のノートやリングノートなどはリサイクルできないのですが、それもまた子供たちの知識になっています。商品を買う時から、循環は始まっているという意識が根付いてくれたらうれしいですね。循環に参加するというマインド醸成も、コクヨの大きな目的のひとつなので。
古紙は一定数リサイクルされていますが、トイレットペーパーなどに生まれ変わる“ダウンサイクル(元の製品より価値を下げて再利用すること)”が主流。ノートはもともと上質な繊維を使用しているので、回収して同じノートの表紙に“水平サイクル”できる「つなげるーぱ!」は、今後もさらに継続拡大できればと思っています。
“使用後”を見据えたコクヨの新商品
―2023年4月から始動した「SUTENAI CIRCLE」ですが、メーカーとして作り出す商品にも変化はありましたか?
横手さん:コクヨでは文房具、オフィス家具、オフィス通販製品の取り扱いをしていますが、2023年度以降の新商品は、すべて「SUTENAI CIRCLE」のコンセプトに基づいて企画設定されたものになっています(一部リニューアル商品等を除く)。
いずれのジャンルでも商品の作り方や情報の伝え方等で、循環するための工夫を凝らした商品を発売しています。
過去に、環境配慮の十分でない自社商品に自らバツ印を付ける「エコバツ」という取り組みを実施していた背景もあり、社内での意思統一はスムーズだったと思います。
捨てたくない気持ちに寄りそった捨てない選択肢の提供、捨てなくてはいけなくなった場合にも安心して手放せるような仕組みづくりなど、回収方法や情報提供を含めて、模索しながら商品開発を続けています。
最終処分場の埋め立て地も見学してきましたが、最終処分場を作り続ける事は大変な事です。個人的にも、未来永劫残ってしまう埋め立てを少しでも減らせたらと心から思っています。
―ありがとうございました。商品開発を通して、資源を捨てない社会の実現を目指すコクヨさん。「SUTENAI CIRCLE」は壮大な取り組みですが、ひとりひとりの「捨てたくない」という気持ちが大切な第一歩かもしれませんね。後編では、“循環の輪をつなぐ”だけでなく“循環をゆっくり回す”ことに焦点をあてた製品、オフィス家具について詳しく伺っていきます。
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