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オフィス移転の際の立地の選び方
2022.07.15
オフィス移転は、主に働きやすさや生産性の向上など、内外からの企業価値をより高めるために行われます。しかし、働き方の多様化などによって、従来と同じスタンスでは思うような効果を得られないケースがあるのです。
この記事では、オフィス移転を検討している企業に向け、オフィスの立地の違いが与える影響について解説します。また、変化する社会情勢にともなう、新しいオフィス移転の考え方についても解説するので参考にしてください。
オフィスの立地は、ランニングコストや業務効率など企業内への影響だけでなく、周囲との関係など対外的な面にも影響します。オフィスの立地による企業への具体的な影響や、適切に配置したオフィスが企業活動をサポートすることについて解説します。
コスト
立地の違いが影響する大きなポイントは、オフィスを設置・維持するコスト面です。オフィスにかかるコストを計算する際は、月々の賃料などのランニングコストはもちろん、保証金や仲介手数料、前払い賃料などの初期コストも考慮しなくてはなりません。
一般的に、月々の賃料が高額なほどこれらの初期コストも高くなります。また、エリアによって、産業振興の取り組みがなされていたり、集客率の高い商業施設が集まっていたりなど、商業的価値の高いエリアは賃料が高額です。例として東京都内では、都心部とそうでないエリアとで坪あたりの賃料が3倍ほどの差となるケースもあります。
しかし、ビジネスにかかるコストは賃料だけではありません。取引先との面談が必要な場合など、移動にかかる費用や時間のコミュニケーションコストも見逃せないでしょう。こういったコミュニケーションコストを含めた総合的なコストを鑑みて、オフィスを都内に構える企業が多いです。
従業員のモチベーション
どういったオフィスで働くかは、従業員のモチベーションや仕事上の満足度に直結する要素といえます。例として、複数路線の交差する駅にオフィスを設置すると、より多くの従業員にとって通勤しやすくなり、後述する人材獲得でもチャンスを広げることが可能です。また、外回りの多い営業職の業務効率アップにもつながり、モチベーションが向上します。
駅直結でオフィスへ通勤しやすい、周辺の店舗が充実しておりランチに困らないなど、周辺環境の充実度合いも従業員の満足度に影響するでしょう。ショッピングが楽しめる商業施設も併設されたオフィスビルなら、仕事帰りの買い物がしやすく、従業員の仕事上の満足度の向上にもつながります。
その一方で、あえて都心や繁華街を避け、閑静なエリアにオフィスを設置するケースもあります。とくに、デザイナーなどのクリエイティブ職やエンジニアの多い企業では、駅や市街地が持つ利便性より、閑静な立地の持つゆとりや快適さが好まれる傾向があるようです。
対外的なイメージ
多くの人が「魅力的」「働きたい」と思うエリアにオフィスを設置することは、企業のブランディングにも大きく影響します。ブランディングは企業活動を大きく左右するため、オフィスの立地選びは対外的な企業戦略の一環でもあるのです。例として、ブランド力のあるエリアにオフィスがあれば、業界内のイメージ競争で有利に働き、新規顧客を獲得しやすくなります。
また、ブランディングは社会的な信頼性を左右する要素のひとつでもあるため、融資を受けるなど資金調達の面でも役立つでしょう。さらに、人材獲得面のメリットも見逃せません。オフィスの立地や周辺環境は、多くの求職者が条件に挙げる要素です。
一般的に、ブランド力のあるエリアは利便性も良いため働きやすいイメージがあり、求人の際に応募者が多く集まります。そのため、優秀な人材を獲得できる確率もアップするのです。また、イメージ通りの利便性や働きやすさがあれば、入社後の定着率もアップするでしょう。
ビジネス上の相乗効果
ビジネス上の相乗効果を得るため、同じ業種が集まるエリアにオフィスを設置することも良い方法です。同じエリアに同業種が集まる例としては、IT企業が集まるアメリカのシリコンバレー、金融業界の集まる大手町や兜町、アパレル業界の集まる渋谷や原宿・北参道、電子部品・電化製品業界の集まる秋葉原などが挙げられます。
自社と同じ業種が集まるエリアにオフィスを設置すると、業界の活性化につながり、経営上さまざまなメリットを享受できるでしょう。たとえば、企業同士のネットワークにより最新情報の交換ができ、トレンドへの乗り遅れを防止できます。
第一線で活躍しているイメージ作りもでき、企業のブランディングにも役立ちます。クライアント側も複数の企業と効率良く商談をしようと集まるため、新規顧客獲得のチャンスが広がるのもポイントです。
働き方の多様化によって変わる立地の考え方
働き方改革の推進により、近年は働き方の多様性が重視されるようになりました。それにともない、オフィスの立地がもたらす企業への影響も大きく変化しています。近年のオフィス立地に関する新しい考え方について解説します。
サテライトオフィスを設置するケースが増えている
インターネットをはじめとするITテクノロジーの発展により、オフィスの機能を1カ所に集中させる必要性は低下しています。そのため、経理や総務など取引先との対面がなく外出しないバックオフィスは郊外に設置し、賃料を節約するのも有効な経営戦略です。
こういった二次拠点としてのサテライトオフィスを複数設置する方法は、都心部に大きなオフィスを設置するよりローコストで済む場合があります。また、地方のマーケットに対応して事業エリアを拡大できるメリットもあるでしょう。従業員とっては、より自宅に近いオフィスを選択でき、都心部の通勤ラッシュにも対応せずに済むため、通勤負担も軽減できます。
郊外や地方の物件は、低コストで余裕のあるスペースを確保できる場合も多く、働きやすいオフィス作りが可能です。周囲の環境にもゆとりがあり、従業員の満足度向上も期待できるでしょう。さらに、都心のオフィスに通うのは難しい、地方在住の優秀な人材を獲得できるチャンスも広がります。
テレワークの普及でオフィスコストも変化する
都心部にあえてオフィスを設置するメリットのひとつは、コミュニケーションコストも含めた総合コスト部分にありました。しかし、テレワークが普及し、在宅勤務の従業員が多くなればコミュニケーションコストの構造は変化します。インターネットやクラウドサービスの発展によって、営業活動ですらリモートで完結するケースが増えてきているからです。
今後、コミュニケーションコストにおける都心部の優位性は徐々に低下する可能性があります。その結果、都心部のオフィスの需要は低下し、賃料が下がることもあるでしょう。また、テレワーク促進によって常時出勤する従業員の数が減り、企業のオフィス規模が縮小する傾向も考えられます。オフィスの縮小は、一定の取引先に対するコミュニケーションコストを低く保ったまま賃料を節約できる方法です。
しかし、テレワークがどこまで普及するかはまだ予測が難しいため、移転の際は専門家の意見を参考にするなど、さまざまな可能性を検討するのが重要です。
オフィスの立地は総合的に判断しよう
オフィスはただ業務ができれば良い場所ではありません。オフィスの立地は、従業員の働きやすさや企業のブランディング、人材獲得に影響する要素です。しかし、テレワークの普及により都心部一強の傾向は変化し、オフィスの価値は改めて見直されています。
オフィス移転の際は、自社が必要とするオフィスの役割を見極め、投資対効果を考慮した立地選びが重要です。賃料などのランニングコストはもちろん、移転にかかるコストも忘れず慎重に検討していきましょう。
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