
サステナビリティ
キユーピー/食卓への想いから生まれた「GREEN KEWPIE」①新しい食の喜びを提供するプラントベースフードブランド
2025.04.22
植物由来の原材料を使用し、動物性食品に似せて作られるプラントベースフード。地球環境や健康面、多様化する価値観などを背景に、世界的に広がりを見せているジャンルです。牛乳の代わりの豆乳やオーツミルク、肉の代わりの大豆ミートなど、売り場で目にしたことがある方も多いのではないでしょうか。 企業のサステナブルな取り組みを取材するこちらのコラム。今回は、キユーピー株式会社さんが手掛ける「GREEN KEWPIE(グリーンキユーピー)」ブランドについてご紹介します。
「GREEN KEWPIE」では、キユーピーさんの代名詞でもあるマヨネーズやドレッシング、パスタソースのほか、卵の代替商品「HOBOTAMA(ほぼたま)」といったラインナップを、卵や動物性素材を使わないプラントベースフードとして提供しています。
ブランドの立ち上げから約2年、あらためて開発の経緯や利用者の反響などについて聞きました。お話しをお聞かせいただくのは、ブランド立ち上げの立役者GREEN KEWPIEプロジェクト プロジェクトリーダー、綿貫 智香さんです。
“食”の選択肢を増やすためのブランド
―「GREEN KEWPIE」では、卵を使わないマヨネーズや、卵を使わない卵の代替商品など、ちょっと初耳な商品がラインナップされていますよね。どんなブランドなのか、改めて教えていただけますか?
綿貫さん:「GREEN KEWPIE」は、プラントベースフードを中心に”サステナブルな食”を展開するブランドです。環境面や健康面だけでなく、日々の楽しみである“食”の選択肢を増やしたい、という思いがベースにあります。私自身、食べることがとても好きなので(笑)。
植物由来の原材料を使用することで、食にさまざまな価値観や制限をお持ちの方、そして特に制限がない方たちにとっても、選ぶ喜び、食べる喜びが増えていく未来を提供できたらと願って開発しました。
商品企画段階では半信半疑な意見も一部ありましたが、リリース後とても大きな反響をいただき、順調に推移して現在に至ります。
ラインナップとしては、家庭用向けにドレッシング2品、マヨネーズタイプ1品、パスタソース3品、卵の代替商品「HOBOTAMA(ほぼたま)」2品のほか、業務用商品として4品を展開しています。

左写真:「GREEN KEWPIE」のラインナップ
右写真:左から、「GREEN KEWPIE」プロジェクト プロジェクトリーダー 綿貫 智香さん、弊社SOI事業部 樋山
“世の中にないもの”を作ること
―全く新しいジャンルを作るご苦労はかなりのものだったのではと思います。「GREEN KEWPIE」ブランド化までの流れを教えていただけますか?
綿貫さん:初めにリリースしたのは、卵の代替商品「HOBOTAMA(ほぼたま)」の業務用でした。味や見た目が“ほぼ卵”というプラントベース商品ですが、「卵大好きな日本人がわざわざ買うか?」「本当にニーズがあるの?」などなど、発売までにたくさんの意見がありました。まだ世にないものを作るということで、慎重意見も多かったですね。
環境や健康といった視点、食の多様性が広がっていること、すでにアメリカでは同様商品が流通していることなどを背景にGOサインが出て、「HOBOTAMAスクランブルエッグ風」「同 加熱用液卵風」の発売に至りました。
2021年6月発売ということで、コロナ禍、そして東京オリンピック開催の直前というタイミングでしたが、外資系ホテルや総菜、お弁当などでご利用いただき、オリンピックで来日したコーチや随伴の方などにもたくさんご利用いただいたと聞いています。驚くほどの反響を寄せられて、「やっぱりこれは望まれた商品だったんだ」と確信できて、とてもうれしかったですね。
ただ、まだこの時点では「GREEN KEWPIE」ブランドは、世に誕生していませんでした。
そして「GREEN KEWPIE」ブランド誕生へ
―「GREEN KEWPIE」ブランドは、「HOBOTAMA」発売のあとに生まれたものなのですか?
綿貫さん:そうなんです。やはり卵代替商品は、まだ“世の中にない商品”。あくまで試験的な販売という位置づけだったので、ノーブランドでのチャレンジでした。
その後、この業務用「HOBOTAMA」の大きな反響を受けて、また一般消費者の方々からも本当にたくさんご要望の声をいただいて、家庭用向けでも発売が決まりました。
そして卵代替商品だけでなく、”サステナブルな食”というコンセプトを活かし、食卓を彩るラインナップを増やしていこうという方針が決まり、そこではじめて「GREEN KEWPIE」誕生となりました。
研究開発はかなり試行錯誤の連続でしたが、開発チームでは、すでにプラントベース商品の開発を独自に進めていたようで、かなり準備が進んでいたんですよ。そんなタイミングの良さにもおおいに助けられました。
はじめにリリースしたのは、ドレッシング二品。なじみやすさ、取り入れやすさという観点から、キューピー定番アイテムの「ごま」「シーザーサラダ」でスタートを切りました。その後、満を持してマヨネーズタイプを発売。やはり、マヨネーズは会社の顔なので、開発には慎重になりましたね(笑)。そして、先陣を切った「HOBOTAMA」を改めてブランドに加え、さらにパスタソース群を追加して、現在のラインナップになりました。
ともに食べる人にも喜びを
―“世の中にない商品”を発表されたことで、反響はかなり大きかったと聞いています。どのような声があったのか、教えていただけますか?
綿貫さん:一番反響が大きかったのは、2023年3月に「GREEN KEWPIE」ブランドをスタートしたタイミングですね。会社のお客様相談室やHP、サイトの書き込みなど、対応が追い付かないほどたくさんのお声をいただきました。
やはり卵アレルギー関連の感想が一番多く、六割以上を占めました。卵サンドイッチやチャーハン、オムライスなど、これまで卵抜きで食べざるを得なかったメニューを食べられるようになった、という喜びの声が多かったです。
印象的だったのは、卵アレルギーのご本人はもちろん、そのご両親や祖父母の方、親せきや友人といった方たちからも、「本当によかった」という声がたくさん寄せられたことです。なんてやさしい世界なんだろうと感動すると同時に、「食べるときはひとりではないんだ」ということを実感しました。
家族で食卓を囲む場合、だれかが食べられないメニューはあまり登場しませんよね。食卓をともに囲む人たちにとっても、“食べる選択肢”が増えることは、喜びにつながるんです。
食べることって楽しいじゃないですか。この仕事に携わり、皆さんの食べる楽しみを増やすお手伝いができるなんて、メーカーとしてこれほどうれしいことはないですね。
―綿貫さん、興味深いお話しをありがとうございます。
食べることは楽しい。そしてひとと一緒に食べるときは、さらにおいしいものですよね。不覚にも涙ぐみそうになりました(笑)。
後編では、実際の「GREEN KEWPIE」がどんな商品なのか、味や使い方、利用シーンなど、具体的な楽しみ方について伺っていきたいと思います。
引き続き、お付き合いをお願いいたします。
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