
オフィス移転事例
Vol.13 株式会社リファインバースグループ「廃棄物リサイクル率99.6%移転!再生材をふんだんに使ったオフィスへ」
2025.03.18
移転された企業に、インタビューさせていただくこちらの企画。前号に引き続き、株式会社リファインバースグループの取締役・瀧澤陵さんにお話しを伺います。 同社は20年以上も前から、オフィスなどの廃棄タイルカーペットを再生させる水平リサイクル技術を構築・実践されている再生素材メーカーさんです。 後編となる今号では、新オフィスの内装、新設したショールーム、そして会社の今後の取り組みなどについて伺います。インタビュアーは前回同様、物件仲介を担当した弊社SOI部 室田薫です。
お客様の会社情報 |
いずれはすべて再生素材製品に
(室田)居抜きオフィスへの移転となりましたが、内装は変更されましたか?また、内装には、御社の再生素材製品が使われているのでしょうか?
(瀧澤さん)まず内装変更に関してですが、間取りも壁もほとんど変えていません。カーペットは張り替えましたが、壁紙はそのまま、家具類は前オフィスで使っていたものを使っています。大きく変えたのは、ショールームのために会議室の壁を取り払った所ですね。
自社素材製品の使用に関しては、もちろん自社再生素材『リファインパウダー』から商品化されているリサイクルタイルカーペットを使用しています。
廃棄漁網から再生したナイロン素材『REAMIDE(リアミド)』は、オカムラさんやコクヨさんなどのオフィスチェアの一部にも使用されているものですが、執務エリアで使っている椅子は、今後、製品開発が進んでさまざまな汎用品が市場に出てくると思うので、新商品をオフィスに導入して、順次入れ替えていく予定でいます。最終的には、全て再生素材使用のチェアにし、体感できるショールームにしたいですね。来社されたお客様に、「いま座っている椅子も再生素材なんですよ」とお伝えしたいです。

(左写真)左:同社取締役 瀧澤陵さん、右:弊社 室田
(中央写真)元々の漁網の色を生かして作られた「REAMIDE」のデスク天板
(右写真)オフィス内廊下スペース
前入居企業がセキュリティー盤を設置していたところは「REAMIDE」のペレットの展示
再生材でここまで出来る!技術力を展示
(室田)新たに大きくされたショールームは、どのような空間になっているのでしょうか。また、こだわった点などがあれば教えてください。
(瀧澤さん)もともと大きな会議室だった部屋を、壁を取り払う形でショールームにしました。ショールームには、リサイクルカーペットはもちろん、漁網から再生したナイロン素材『REAMIDE』を使ったデスクやチェアが置いてあるほか、『リファインパウダー』や『REAMIDE』などがどのような工程を経て再生されるのか、展示されています。また、『REAMIDE』の含有率を変えることで、どの程度仕上がりに違いが生じるかなど、さまざまなサンプルが見て触れられるところも特徴ですね。
ショールームに関してこだわった点は、できるだけ再生材を使用しつつも、“いかにもリサイクル”な造作物感は出さない、という点です。
我々は廃棄物の再生事業を行っているわけですが、リサイクルといっても、新品と何ら変わりない製品を生み出す技術力がある。なので、「これリサイクルなの?」「再生材でここまでできるんだ」という驚きを提供できるスペースにしたいと思っていました。

(左写真)「REAMIDE」などが展示されているショールーム
(中央写真)元々の漁網の色を生かして作られた正方形の板
(右写真)「REAMIDE」から作られた糸と布
移転時の廃棄物リサイクル率を100%に!
(室田)ご移転に関する御社のニュースリリースに、『オフィス移転で廃棄物のリサイクル率100%を目指す』とありましたが、これについて教えていただけますか?
(瀧澤さん)居抜き移転とはいえ、内装変更の際にカーペットや壁、パーテーションなどの廃材が発生します。その発生した廃棄物に関してリサイクル率100%を目指す、という意味ですね。カーペットに関しては、当然再生まで自社で行っていますが、その他の廃棄物は処理業者に引き渡し、素材ごとに分別・分解して、リサイクルシステムに乗せて素材に戻すことを実践しています。現段階では、リサイクル率は99.6%に到達していますね。
我々が他社さんの移転で処理業務委託を請けた場合も、リサイクル率100%を目指すことはもちろん、今後はCO2排出量の数字まで細かいデータを提示するサービスも開始する予定です。昨今は環境負荷の配慮やCO2排出量を気にする声も大きくなっているので、今後こうしたニーズは増えてくるのではないかと思っています。自社でやるとなると大変ですが、我々の事業では廃材処理のデータ管理システムが整備されているので、移転に関する廃棄物のデータ化を検討されている企業の方がいらっしゃれば、ぜひお問い合わせいただきたいですね。
社会にインパクトもたらす取り組みもスタート
(室田)さまざまな新規事業立ち上げも検討されていると思います。新しい取り組みについて教えていただけますか?
(瀧澤さん)2025年は、三菱ケミカルグループ社との廃プラスチックのケミカルリサイクル事業がいよいよ始まります。これは、プラスチックごみを油に戻して、そこからプラスチックの原料であるナフサを回収、もう一度プラスチックに再生させるという画期的な事業です。軌道に乗れば、社会全体に大きなインパクトを与えるのではないでしょうか。
その他、再生素材をベースに建築資材やアパレル製品、自動車部品など、多角的に事業展開を進めていく予定です。特に欧州向け自動車部品に関しては、プラスチック部品の25%以上を環境配慮型プラスチックにしなければならないとするEUの規制により、ニーズが増えていくことは間違いありません。少しずつ、さまざまな製品・部品の再生素材化が加速し、リサイクルが「あたりまえ」になっていく時代が来るのではないでしょうか。
―瀧澤さん、お忙しい中ありがとうございました。
限りある資源を循環させるビジネスモデル“サーキュラーエコノミー”を実践される企業さんならではの、貴重なお話しを伺うことができました。今後も、新しい技術で新しい価値を創造されていく姿を楽しみにしております。
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