サステナビリティ
オカムラ/“環境配慮の波(GREEN WAVE)”を作り出すオフィス家具メーカー① 『サーキュラーモデル』で取り組み加速
2024.11.07
今回のお客様は、オフィス家具メーカーとして、働く環境づくりを支援する製品とサービスを展開されている株式会社オカムラさんです。GREEN(環境配慮)のWAVE(波)を自ら起こし、その波に乗るという独自の環境基準「GREEN WAVE(グリーン・ウェーブ)」の考えのもとに、2050年に温室効果ガス排出実質ゼロ(カーボンニュートラル)実現を目指し、グループ全体での取り組みを強化されています。 同社オフィス環境事業本部 マーケティング本部 ワークプレイス製品部部長の白井秀幸さんにお時間をいただき、オフィス家具を通してどのような環境へのアプローチをされているのか、詳しく伺いました。
製品の環境配慮「GREEN WAVE」を推進
―オカムラさんのサステナブルな製品開発推進に向けたアクションを教えてください。
白井さん:製品・サービスにおける環境配慮として、オカムラでは1997年からGREEN(環境配慮)のWAVE(波)を自ら起こし、その波に乗るという「GREEN WAVE」の考えの下に、製品に関するオカムラ独自の環境基準を策定し、環境に配慮した製品の拡充を図ってきました。2021年には、新たに製品開発における「サーキュラーデザイン※1」の考え方や「カーボンオフセットプログラム」を導入し、「GREEN WAVE」の取り組みをさらに前進させ、より環境負荷の少ない製品の提供に努めています。
製品には、省資源/再資源/再生材/再使用/長寿命/安全・環境/省エネ、といったオカムラ独自の7つの基準を設定し、合致した製品を「GREEN WAVE」製品としてお客様にお届けしています。
こうした取り組みを加速させるため、国際的なイニシアチブへの賛同や、オフィス家具について、「LEVEL認証」「Indoor Advantage認証」 といった第三者機関の環境認証取得も積極的に進めています。
また、環境配慮のモノづくりは、健康的な働き方にも影響を与えます。健康的な空間づくりの国際的認証制度である「WELL 認証」取得を進めるお客様のサポートも行っており、認証取得に貢献できる製品に対し「WELL PLUS®」マークを付けて提供するなど、環境負荷といった側面だけでなく「健康的にはたらく場」の実現を重視した製品・サービスも展開しています。 日本では、こうしたオフィス環境についての提案はまだなじみがないかもしれませんが、「WELL認証」の普及が進めば、広く評価が得られるようになるのではと思っています。
このように、オカムラでは環境配慮に向けた様々な取り組みをしています。もう一歩、取り組みを大きく進めようという流れの中、『サーキュラーモデル』という新しいラインナップを2021年からスタートしました。
※1 「サーキュラーエコノミー」の考えに基づき、「製品企画・設計」から「調達」「製造」「販売」「メンテナンス」「再使用」「リサイクル」に至るまでの製品ライフサイクルの中で、限りある資源をより長く有効に使用し、廃棄物の発生を最小化するものづくりを目指す、オカムラの製品開発における考え方
資源循環を重視したサーキュラーモデル
―よりサステナブルを意識したモデルということですね。『サーキュラーモデル』について詳しく教えていただけますか?
白井さん:『サーキュラーモデル』は、2021年に策定した「サーキュラーデザイン」の考え方のもと、よりサステナブルを意識して環境負荷軽減の工夫を組み込んだモデルになります。この『サーキュラーモデル』は、独立した製品シリーズではなく、既存のオフィス家具シリーズに、スペシャルモデルというポジションでラインナップしており、順次導入シリーズを拡大しているところです。お客様には、購入する際に従来モデルと『サーキュラーモデル』から選べるようになっていて、好評をいただいています。
さまざまな環境配慮素材を採用
―『サーキュラーモデル』は、具体的に従来品とどのような違いがあるのですか?
白井さん:目に見える違いとしては、製品の素材の部分でしょうか。『サーキュラーモデル』では、資源の循環を重視しているため、リサイクル素材や環境配慮素材といったものを選定して使っています。と言っても、すべての『サーキュラーモデル』で共通の素材を使っているわけではなく、各シリーズの製品特性に応じて、製品性能や品質を下げることがないことを確認し、対応可能な部材に積極的に環境素材を採用しているのが特徴ですね。
例えば、オフィスチェアシリーズ『Contessa Ⅱ(コンテッサ セコンダ)』のサーキュラーモデルには、布材に使用済み漁網の再生ナイロンを使ったニット生地「Re:net(リネット)」や、使用したあと肥料として活用できる「CircuLeather(サーキュレザー)」。背もたれ部分のメッシュ素材は、リサイクルPET素材、フレームとインナーシェルには使用済み漁網のリサイクル素材「REAMIDE(リアミド)」、座面クッション部分には100%リサイクル可能なポリエチレン製クッション材「E‐LOOP(イーループ)」などを採用しています。
別のオフィスチェアシリーズ『Potam(ポータム)』のサーキュラーモデルでは、使用済み樹脂脚を回収・分別・粉砕し、再び新たな樹脂脚として水平循環したリサイクル脚を使用しています。
そのほか、サーキュラーモデルには採用していませんが、国産木材の未利用材を使った製品やサトウキビを原料にしたバイオマスプラスチックを使った製品などの研究開発も多角的に進めています。こうした素材の中には、オカムラが独自開発したものも多く、技術開発力もオカムラの自慢できる部分だと思っています。
―白井さん、貴重なお話しありがとうございました。
後編では、オカムラさんのオフィス家具に使われる再生素材にフォーカスしていきます。白井さんは、以前は素材開発にも携わっていらしたそうで、『サーキュラーモデル』の素材について、どのような素材がどのようにオフィス家具に使われているのか、詳しく伺っていきたいと思います。
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